〔上毛新聞S57(1982).8.22〕男子実業団ホッケー月夜野町役場攻勢及ばず
月夜野町役場攻勢及ばず
あかぎ国体リハーサル大会の全日本男子実業団ホッケー選手権大会二日目は利根郡月夜野町ホッケー場で、一回戦一試合、二回戦八試合を行い、ベスト8が出そろった。本県期待の月夜野町役場はシードで二回戦に登場、三井銀行(東京)と対戦した。雨の中、びしょぬれで応援する地元小学生にこたえて、月夜野町役場は終始押し気味に試合を進めたが、ここ一本のシュートが決まらない。これに対して三井銀行は前半5分、先制点を挙げると、少ないチャンスを確実にものにして着々と加点、逃げ切った。
初陣、月夜野に硬さ
月夜野町役場には硬さが目立ち、先制されると一層ちぐはぐなプレーが出てしまった。
前半5分、三井銀行にセンターからのシュートを許し、7分過ぎにもペナルティーコーナーから右へ流され得点されると、月夜野町役場にあせりが見られるようになり、パスはカットされ、たびたび襲いかかる相手ゴール前でもボールを奪い返されてしまう。
後半も6分、29分にぺナルディーコーナーからの得点を与えてしまい、一方的な試合展開になってしまった。一矢を報いようと、月夜野町役場も、縦横にパスを通し、足を使って三井銀行陣内に攻め入ったが、チャンスを得点に結びつけられなかった。
敗戦を明日への糧に
「皆、あがっていました。いつもの動きが全然出ない。まだまだ未熟ということですね」と、石坂主将。町があかぎ国体ホッケー会場に決まったことで、役場職員を集めて昨春結成したばかりのチームで、対外試合の経験も少ない。地元チームの出場とあって、町民の期待は高まるばかりー。いろんなプレッシャーに押しつぶされ、のびのびと本領を発揮するまでにはいたらなかった。
「それでも、うちが先制できれば展開も変わっていたはず。逆に点を取られると、取り返す力はまだない」と、序盤の守勢をくやむ。
だが、スタートして一年のチームが、三井銀行を相手に、再三シューティングサークルに攻め入って、おびやかした力を認めたい。個人技はボールさばきやドリブルなどにいいものを持つ選手が多く、今後の連係プレー、速攻、ゴール前でのツメにみがきをかけたいものだ。「いい経験になりました。こんな大きな大会で試合できるまでに育ったんですから。まだまだ時間はかかるだろうが、じっくりいいチームにしたいもの」と、同主将はこの日の敗戦を明日への糧にすると約束していた。